審査要件

貸与型奨学金も給付型と同様に、学生・生徒本人の成績と家庭の収入の両面から審査されます。
ただし、返済の必要がある貸与型は給付型に比べて利用しやすいように環境整備されており、奨学金の利用は貸与型が中心となっています。給付型にある「高校を初めて卒業してから2年以内」という要件は貸与型にはなく、「社会人の学び直し=リカレント教育」にも貸与型は有効であると言えます。

貸与型奨学金の種類と審査概要

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種類 利子 成績基準 収入基準
第1種貸与型奨学金 無利子 厳密 厳密
第2種貸与型奨学金 有利子(上限3%) 緩やか 緩やか
入学時特別増額貸与奨学金 有利子(上限3%)
(基本部分+0.2%)
※下記参照()

第1種貸与型奨学金の成績基準

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予約採用 高校の成績が3.5以上(高校1年生から申請時まで)
※住民税非課税世帯は成績基準が免除される
在学採用 新入生 高校の成績が3.5以上(専門学校は3.2以上
2年次生以上 所属する学部(学科)の上位1/3以内

第2種貸与型奨学金の成績基準
(以下のA~Cのいずれかに該当する人)

  • 高校での成績が平均以上
  • 特定分野に優れた資質能力がある
  • 学修意欲があり、学業を確実に終了できる見込みがある

進学してしっかり学業を修める意欲があれば、成績基準をクリアーすることができます。

奨学金アドバイザー福井のワンポイントアドバイス

家庭の収入基準(予約採用 4人世帯の場合)

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給与所得世帯(年間収入) 給与所得以外の世帯(年間所得)
第1種 第2種 併用 第1種 第2種 併用
最高月額 最高以外の
月額
最高月額 最高以外の
月額
686万円 747万円 1,100万円 686万円 306万円 349万円 692万円 306万円

[注意]世帯ごとの生活環境で収入基準は変わります。

具体的には、単身赴任や6ヶ月以上の長期療養者がいる世帯等は、「特別控除」が適用されて、基準が緩和されることがあります。

収入基準の審査は、予約採用より在学採用の方が緩やかです。理由は、大学での授業料が控除の対象になるからです。
予約採用で不採用だった方も在学採用で再チャレンジしてみる価値は高いでしょう。
在学採用で再チャレンジすることの重要性は給付型も同じですね。

家庭の収入基準(在学採用 4人世帯の場合)

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学種 設置者 通学形態 給与所得世帯(年間収入) 給与所得以外の世帯(年間所得)
第1種 第2種 併用 第1種 第2種 併用
最高
月額
以外の
月額
最高
月額
以外の
月額
大学 国公立 自宅 680 742 1,096 680 302 345 688 302
自宅外 747 800 1,143 747 349 392 735 349
私立 自宅 755 805 1,148 755 354 397 740 354
自宅外 809 852 1,195 809 401 444 787 401
短大 国公立 自宅 659 720 1,081 659 287 330 673 287
自宅外 726 785 1,128 726 334 377 720 334
私立 自宅 725 784 1,127 725 333 376 719 333
自宅外 788 831 1,174 788 380 423 766 380
専門
学校
国公立 自宅 630 692 1,061 630 267 310 653 267
自宅外 695 756 1,106 695 312 355 698 312
私立 自宅 723 783 1,126 723 332 375 718 332
自宅外 785 828 1,171 785 377 420 763 377
(単位:万円)

(金額 2022年度 日本学生支援機構 予約/在学採用案内書から抜粋)

※入学時特別増額貸与奨学金の審査の流れ

入学時特別増額貸与奨学金の審査の流れ

入学時特別増額貸与奨学金の審査は上図のように少し複雑です。
これは入学時特別増額貸与奨学金が「国の教育ローン」を利用できなかった人を救済するために導入されたからです。

採用候補者決定通知の入学時特別増額貸与奨学金の欄に、国の教育ローンへの申込みが「要 or 不要」の記載があります。

国の教育ローンの申込が 不要 の場合

家庭の収入が基準額以下ですので、入学時特別増額貸与奨学金の利用可

国の教育ローンの申込が 必要 の場合

家庭の収入が基準額以上ですので、国の教育ローンに申し込みます。

その結果、国の教育ローン審査が合格であれば、入学時特別増額貸与奨学金は利用できません。
不合格であれば、入学時特別増額貸与奨学金を利用できます。
日本政策金融公庫から送付されてくる「融資できない旨の通知文書」は重要書類です。
進学先の学校へ提出を求められますので、大切に保管しておきましょう。