審査要件

日本学生支援機構の給付型奨学金は財源が税金であり、審査についてはしっかりとしたルールで運用されています。主に世帯の経済状況申請者の学力を審査されます。
順に解説していきます。

I.家計基準(各世帯の経済状況)

①収入基準

世帯の収入は、奨学金を申請する学生/生徒本人と生計維持者(保護者)の収入が合算され、それを基にした住民税情報で3区分に分類されます。
下表は予約採用での世帯人数と構成による世帯の収入(所得)基準の目安です。

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単位:万円
世帯
人数
世帯構成 給与所得者(会社員・公務員)の世帯
年間の総収入金額)
給与所得者以外(自営業など)の世帯
(年間の所得金額)
第1区分 第2区分 第3区分 第1区分 第2区分 第3区分
2人 本人、母(ひとり親) 207 298 373 135 192 245
3人 本人、母(ひとり親)、中学生 221 298 373 147 196 250
4人 本人、親①、親②(無収入)、中学生 271 303 378 182 212 287
4人 本人、親①、親②(給与所得者)、中学生 親①:221
親②:115
親①:242
親②:155
親①:320
親②:155
親①:147
親②:115
親①:148
親②:155
親①:201
親②:155
5人 本人、親①、親②(パート)、大学生、中学生 親①:321
親②:100
親①:395
親②:100
親①:461
親②:100
親①:217
親②:100
親①:277
親②:100
親①:353
親②:100
※在学採用は上表の金額と少し異なります。
これは本人が19歳になると住民税上の「特定扶養親族」になり、控除額が増額されるためです。結果として、在学採用は収入(所得)基準が少し上振れするという事象が発生します。

豆知識(収入と所得の違い)

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収入 必要経費や税金・社会保険料を差し引く前の総額
所得 収入から必要経費を差し引いた金額
②資産基準

各世帯の保有資産についても審査があります。

生計維持者の状況 基準資産額
両親の場合 2,000万円未満
ひとり親の場合 1,250万円未満
  • 現金/預金、株式/投資信託、投資用の金地金などの流動資産が対象です。
  • 土地(軍用地)やマンションなど不動産は対象になりません。
  • 収入基準と同様に、学生/生徒本人と生計維持者である保護者の資産の合計額です。
  • スカラネットに入力時点での資産額を基準としてください。
  • 資産基準は自己申告制となっていますが、虚偽申告が発覚した場合は給付された奨学金の140%を返還されるように求められるので、注意してください。
  • 収入基準と資産基準の両方を満たす必要があります。

II.学力基準

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申込方法 対象 学力の基準 [いずれかに該当する人]
予約採用 高校生
(既卒生)
  1. 高校の成績が5段階で3.5以上
  2. 将来社会で自立・活躍する目標を持ち、進学する大学などで学修意欲をもつ人
在学採用 新入生
  1. 高校の成績が5段階で3.5以上 または入試の成績が上位50%の人
  2. 将来社会で自立・活躍する目標を持ち、進学した大学などで学修意欲をもつ人
2年生以上
  1. GPA(平均成績)が在籍学部などの上位50%以上の人
  2. 修得単位数が標準以上であり、かつ将来社会で自立・活躍する目標を持ち、
    進学した大学などで学修意欲をもつ人
※上表の予約採用の②については、高校の先生と面談・レポート提出により学習意欲を確認されます。在学採用の②については、提出する「学修計画書」で意欲を審査されます。
高校の成績で「3.5以上」ない人も、あきらめずにチャレンジしてみてください。

III.その他の基準

  • 初めて高校を卒業予定の人、または、初めて高校を卒業してから2年以内の人 高校を卒業して2年以内に進学している人が対象であり、大学3年生でもこの基準を満たしていれば在学採用で申請することができます。
  • 過去に日本学生支援機構の給付型奨学金を利用したことがないこと (給付型奨学金は1回きりです)
  • 国籍要件を満たしていること (外国籍の人は別途注意が必要です)